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31歳、未貫通。トンネルを抜けたら、そこは雪国。処女(あたし)だってエログが書きたい!
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 ←母さん、あたしエログの中のエログを書く!(週一くらいで)




カトウ式(処女という100%の避妊法)


仕事場の後輩から「出来ちゃったんですー」って相談されまして。

相談っていうか、完全な事後報告だったんですけど。
職場内でも、ケツから二番目くらいに教えてもらったんですけどー。

いやー、結構なんつーか、信頼されてる方かなーなんて、思ってたっつか、
あれ?おごったよね?二ヶ月前さ、ケーキ、奢ったよね、アタシ?

2週間前にもさ、一緒にご飯食べたよね、絶対。
相談する隙は、確実に与えてたよね?

出来ちゃったかー。
出来ちゃったかー。
そっかー。

いやいやいや、ごめん、正直、事後報告すらされてない。
飲み会の席で、他の人たちから聞いた。またぎき。
しかも、普通に「でもユミちゃん妊娠してるからねー」みたいなノリで。
周りの人たち、うんうん言ってた。
私もさ、うんうん確かにー、って言ったっけ、実のトコ初耳。
思いっきり知ったかぶっちゃったー。
ユミちゃん、何?妊婦なの?ねえ?そこんとこ詳しくー。
って思ってたら、

「加藤は、何て話きいてる?」みたいな風向きになってて。
はい、私、加藤なんですけど。
恐れ多くも、新人のユミちゃんの指導者という立場をおおせつかってるんですけど、

みじんも、聞いてねぇー。寝耳に水ー。彼氏すらいると思ってなかったです、はいー。

でも、うんうん言ってた手前、

「あ、まだ詳しくはアレなんですけど、どうやら妊娠してるみたいだって…えーっと、確か、三ヶ月くらいだったような・・」

みたいな、もうね、汗だくですよ。
妊娠つったらやっぱ3ヶ月でしょーっていうサジ加減だけの発言。
したら先輩たちも先輩たちで、そんな私にね、

「これから、産むのかさー、仕事とかどうするのかさー、
 それとなく聞いといてよ」

みたいなミッションをね、もしくはインポッシブルの方をね、さらっとね、与えてくれちゃうんですよ。

ほんと、身の丈とか考えてー。
私、できちゃったことすら、教えてもらえなかったんですー。
つーか半年近く一緒にいて、好きな芸能人は平岡裕太ってことくらいしか教えてもらってないんですー。つーか、平岡裕太くらい、私だって朝飯前で好きだったっつーの。
そんなことを「マジでー?」「ヒミツですよー」とか言ってコソコソ教えあう程度の師弟関係しか築けていない私たちに、
産むか産まないかとかね、そんなディープな話題、どうやったら、どうやったら、「それとなく」なんてね、聞けるかっつーの。荷が重いっつーの。
っつーか、むしろプライベートの面では、あっちが完全なる師匠で、こっちは全般未知の領域なのに。

でもね、上下関係って恐ろしいものでね、「聞いてみまーす」ってツルって言ってました。一種の条件反射だと思う。



で、昨日昼休憩の時、

「えっと、なんか、あれだって?妊娠…体調とか大丈夫?」

みたいなね、もうね、何かこっちの方が気ぃ使ってね、
こうね、完全に変な間合いで切り込んじゃったんですよ。タモリの話してたのに。

したらね、あからさまにね、「え?」みたいな顔するんです。
驚きの「え」じゃなくて。
不良で言えば「あー?」みたいなタイプの「え」でした。

もうね、新人相手なんですけど、完全に萎縮。
期待のルーキー登場かなって。
なんかもう、私なんかが、口を出すことじゃないっつーか。

したら、
「あれー?加藤先輩に言ってませんでしたっけー?」
みたいな、
「あれー?言った気になってたー」
みたいな、
で、最終的に
「加藤さん、忘れちゃったんじゃなくてですかー?」
みたいな。

もうね、場所が場所なら「何時何分地球が何回回った時っ言ったの!!!」ってね、喉の辺まで出かかったんだけど、
なんつーの、指導者と指名を受けたときから、もう、娘だと思って育てようって、実の娘だと思って愛していこうと決めてたんです。

だから、えっと、「どうしよっか」ってことを、オブラード十二単くらいにきせて話したんだけどね、ユミちゃん曰く

「避妊してたのに、彼が しくったんですよー」

とのこと。

「外出し、へたくそなんですよー」

とのこと。

「外…っ、それは避妊っつーか…」

「え?加藤先輩はゴム派なんだー」


うちの娘に限って・・・!!


ユミちゃん・・・、注射が不安ですって泣いてたユミちゃんの…病気のこと、もっと分かる様になりたいんですって頑張ってたユミちゃんの、同じ口から、そんな言葉が。しくったとか。

そして、私は、ゴム派なのか。
来月のあたまあたりに、このペースでいくと、確実に27になるんですけど、生まれてこのかた、ゴムの恩恵に授かったことは無いのにゴム派なのか。


「(ゴムはあえてスルーして)
 でもさー、外って言っても、そうそう上手くはできないっていうか」

「えー、上手い人は上手いですよー」

この辺でね、もうね、完全に出来レースなんですよ。
嫌な予感したの。
あー、加藤やべぇ。
加藤、絶対負ける。
引き際って言葉を思い出せ。

「で、でもさ、上手くてもさ、100パーってわけにはさー」

「そりゃ科学的には100じゃないでしょうけど、
 私の経験的には、人によってって感じですよー」


あら?

あら今?

え?
なにそれ。
ちょっと待って。
今さ、今さ今さ今さ、サラッとさ、私の「100パーってわけには」っていうセリフをさ、「科学」で くくっちゃった?
そっちに分類されちゃった?
待って待って待って。
経験かもしんないじゃん。
なんで、私の統計だけ、文献参照みたくなっちゃってんの?
確かにね、ほんとねナケナシのセリフでした。雑誌の受け売りです。参照しまくりです。
でもさ、知らないわけじゃん?ユミちゃんは。
私が経験で言ってる可能性も捨てきれないはずじゃん?
ってことは、何かな?イメージかな?
経験少ないゴム派のイメージ先行かな?

って思って、気づいた時には

「いや、別に、科学的ってだけじゃなくて」

って言っちゃったような、言ってないような、言ったかなー、私、そんなこと。

「え?加藤先輩の経験上そうだったってことですかー?」

「いや、だからー、経験っつーかー」

頑張れ。頑張れ、加藤。

その時ね、ユミちゃんが言ったんです。

「例えば?」

って。


例えば?
例え話もアリなの?


「例えばね、・・・ゲロとか。」

「え?(不良でいうところの「あー?」)」

「えっと、気持ち悪くて、我慢できないときゲロが出ちゃうじゃん?
 同じ人でも、酔ったとかで上手いこと便器に出せることもあれば、
 ほんと具合わるくて、公衆の面前で吐いちゃうこともある。
 その状況によるっていうか。
 だから、ほんとは吐きそうな時は、いつも万全に
 酔い止め飲んだり、エチケット袋持ったりってするべきじゃないのかな。」


自分でも、すげぇと思った。
これは、加藤、やったんじゃない?って。

したっけユミちゃん、

「あれ、今って外だしの話してたんじゃなかったですっけ?」

って、あっ!通じてねぇ!




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三日に一度は一線越えてる。


医学はその輝かしい発展と共に、私の上に暗い影を落としている。

今日、私に微笑むのは、光なのか はたまた闇なのか。



ってことをね、もう三日くらい前から言いたくて言いたくて。

ほらね、私とかね、何の因果か国家相手に「看護師でオーケー」みたいなお墨付きをね、頂いちゃってるわけで、白衣に身を包み放題の包みっぱなわけですよ。あ、今日も包んどいたよーみたいな商店街っぽさで。

そんな私だもの、たまにはね、ガツンとね、医療界にね、言ってやりたい。提言したい。
厚生労働省とかね、現場にほんと耳とか傾けてほしい。



えっとね、薬って色々あるじゃん。

それをね、伝票見ながら捌いてたわけ。

松本さんには目薬さして、吉田さんには内服飲ませて、
えっと田中さんには座薬かぁ・・・。って。

もうね、他人様に座薬入れるってだけでも激しい仕事だなーって、
思ってたわけ。

で、次。



「 渡辺花子   膣錠 」



何かの手違いじゃないっすか?

そんな単語ありましたっけ?

えっと、そこはですね、とても「錠剤」の付け込む隙があるポジションじゃないっつーか。

ち、ちち、膣って、だって、ねぇ?
そんな、常備薬とかがあるようなフランクなお付き合いをしちゃう場所でしたっけ?


一応、先輩にも確認した。

「いやー、まさかねー、いくらなんでも、これは無いっすよねー。
 これがOKなら何でも有りっすよねー」
みたいな感じで。

「あるよ」
あ、先輩、案外真顔。


膣錠。
有りらしい、医療界では。
暗黙の了解らしいです、膣錠。

無茶、だ。

だって膣ってアレよ?
あの膣のことだよ?
あたしだって、未だ生で拝んだことはない、あの お方ですよ。

近くにいた、同期にも話しかけた。
「これ・・・ち、膣錠っつーの?やったことある?」

「あー、あるよ」

おまえもなの?
4年間、共に学んだおまえも、そんなことペロっと言っちゃうの?

「え、え、え?これさ、どうやってやんの?」

「別に、普通にだよ」


普  通  じ  ゃ  な  い  で  し  ょ  !

これ、普通のことじゃないでしょ!
これが「普通」にカテゴライズされちゃったら、この世で起こる大抵のことは普通のことになっちゃうでしょ!


とはいえ、「普通に入れるだけ、らしい」(同期談)。


そこまで言うなら、入れましょう。
こう見えてもね、ナースのはしくれ。
入れるときは、ガツンとね、入れちゃうよ。


で、まぁ病室に行ったんだけど、渡辺さんと初対面。

膣の方にお薬を~なんつっても、渡辺さん「はいー」なんつって、どんだけ無防備なんだっつーの。

ほんと、何か、渡辺さんの人生に初登場の、えっと、赤の他人の、えっと加藤って言うんですけど、

いいのかしら?入れて。膣錠とか、入れて。

と、パンツを脱がした時点で思ったんですけど、
どう考えても、あたし達・・・そこまでの仲じゃないよね・・・?

膣とか、そういうのってもっと、
知り合って、仲良くなって、時にはケンカしたりして、でも何だかんだで仲直りとかしちゃって、いつの間にかお互いが空気みたいな存在になりながらも、確実な信頼関係っていうか、
そういう確固たるものの先に、膣があるわけで、

こんな見ず知らずの加藤に、膣のポジションを許しちゃっていいの?

しかも、私、自分の膣にすら挨拶を交わしたこともないのに。



膣錠。
医学はその輝かしい発展と共に、私の上に暗い影を落としている。
今日、私に微笑むのは、光なのか はたまた闇なのか。

心を決めて、薬の封を切ると、これまた、結構でけー。決心揺らぐわー。

錠剤の枠、ギリッギリ。
十円玉みたいな形。

おいおい、と。
ちょっと待てよ、と。

せめて、なめらかな丸い形でしょう。
自動販売機じゃないんだから。

とにかく、指に乗せてみた。

ねぇ、口じゃだめなの?経口摂取じゃ駄目だったの?

いやー自分、膣専門っすからー。みたいな。


入れました。満を持して。


入れて、さ。
入れてつーか、今まさにね、入れながら思ったんですけど、

膣って、どっからが膣なの?

自分が膣と思った時点で膣なのか、
いや、自分の限界まで進んでこそ初めて膣に辿りつけるのか、
はたまた、家に帰るまでが膣なのか、

悩んだ末に、結構ね、手前で引き返してきました。

ほんとね、迷子になるかと思った。



そうやって、私たちナースはいつも迷いながら白っぽい巨塔を支えてるよー。
看護師増やせー。
厚生労働省とかね、とりあえず、膣錠入れてから話ししようや。



あ、やべ、加藤ステキ。今夜、私に抱かれたい。
明日あたり、礎(いしずえ)になっちゃいそう。


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乳との遭遇

今日という今日はね、もうハッキリさせようと思って。
白黒付けようと思いましてペンを取ったんですけどもね。


私はね、この世で、 おっぱい ほど疑わしいモノは無いんじゃないかなって思う。

乳とか言っちゃって、おめぇ…何様のつもりだって、言いたい。


もうね、一歩外に出れば、巨乳がどうしただの、あいつのスイカップがすげぇだの、いや、俺は貧乳も嫌いじゃないっつーか、だの、もう引っ張りダコじゃないですか、乳という乳が。

乳の話題で持ちきりじゃないですか。

女の子も女の子で、形がくずれるとか言ってブラ選びとか、すっごいじゃないですか。
牛乳とか飲みまくってるじゃないですか。


マジか、と。
いいのか、と。
騙されてんじゃないか、と。

いつまでもアイツを乳の座に君臨させていていいのかって。


例えば、足。

足、結構、頑張ってる。
足がいなかったら、移動とかホント困難になる。
道端のウンコとか避けずらくなる、異常に接近戦になる。
ありがとう、足。

例えば、手。

手の努力も尋常じゃない。
もうね、日常のほとんどの事を、甲斐甲斐しく手のヤツがやってくれてる。
汚いことは全部、私に代わって、手が請け負ってくれる。
ありがとう、手。

はたまた、ケツ。

こいつらが二人いてくれて良かった。
もしケツが二つに割れてなかったら、ほんと肛門とかね、表舞台に躍り出て、ヒドイ目にあってたと思う。
ありがとう、ケツ。


で、乳、おめぇ。

あれ?

おめぇ、寝てた?

人の話ちゃんと聞いてた?


もうね、乳のね、仕事量がね、ないの。
毎日が夏休みになっちゃってんの。

目にしても、指にしたって、毎日セカセカ働いてるのに、
かたや乳。全然、動いてねぇ。棒立ち。

気を許すと、軽くうなだれちゃったりしてる。

もうね、完全にニート化しちゃってるんですよ。

なのにね、やたらウハウハでしょ。
乳っつーだけで、レースの下着とかに包まれちゃって、
乳っつーだけで、みんなの視線を独り占めして、

男『なーなー「いっぱい」の「い」を「お」に変えて言ってみて』
女『やっだー!もぉー!』 ヤイノヤイノ 

あわよくば、クイズ形式にまでされちゃってんですよ。

え、こいつ、そんなにイイ仕事すんの?
って、見てみたら、全然使えねぇわけ。
契約一つ取ってこない。
なのに、この待遇。


もうね、男女の交わりにおいてはね、
あわよくば我先にとね、男子と戯れたりしちゃうわけですよ。

待てよ、と。
そこはね、大人になれよ、と。
だから、ここはひとつ乳には、

「いやぁ、自分なんて、まだまだ半人前っすから、ほんと、足ニイサンより先に揉まれるなんて、ほんと、自分、自信ないっすから」

くらい言って欲しい、したら、まぁ足も足で、

「ばぁか、オレはお前のこと、弟子とか以前に、弟のように可愛く思ってんだぜ。だからオレに今更遠慮なんて無用だぜ。これも勉強だと思って、ここは黙って揉んでもらえ」

「足ニイサン…(ニイサンはいつも未熟なボクのことを支えてくれた。ねぇ、足ニイサンこそ、本当はボクが探し求めていた、生き別れになった本当のお兄さんじゃないのかな。いや、今はこんなこと考えてる場合じゃない)ニイサン、ボク、ニイサンに最高の初舞台を見せるっす!」

したら、それを影で見てた左足のやつが、

「あいつ、ちょっと見ないうちにデカクなりやがって。いいのか右足?本当のこと言わなくて。お前が生き別れになった本当の兄だって…」

「いいんだ…乳には乳の、足には足の、…生き方があるんだ」


とかだったら、ちょっと泣ける。

あ、やべぇ、全然エロくない。



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こけらおとし。


い、今、「タンポン」とか言った奴、誰だ―――――っ!


全く、物騒な世の中になってきました。

タンポンだとか、タンポンじゃないとか、
タンポンしてれば生理でもプール入れるよ、とか
ホント、危うく口車に乗っちゃうとこだった。都会、チョーこえぇ。


いや、年始におもっきり温泉行くことになったんですが、

なんつーかな、前日の夜半にトイレにて、
ちょっとした松田勇作みたいな感じになりまして、

ほんと、なんじゃこりゃぁって撃たれたのが、案外、下。案外、中央。割と下半身。

いやぁ、26年、全く滞りなく、スムーズな進行でもって、
今月もね、耳をそろえて来るもんが来たわけ。

私の股間の奥底で今か今かと日の目を待つ星一徹が、
今月もあまりの妊娠の可能性の無さに、ちゃぶ台をひっくり返す一週間が始まった。


で、まぁ、数時間後には温泉旅行が待ち構えているわけです。


このとき、この中野の端で、生きるか死ぬかのデスマッチの火蓋が静かに切って落とされた。


処女 VS タンポン



完全にアウェー。
完全に異種格闘。

まさか、この子と戦う日が来るなんて。
この子とだけは、戦いたくなかった。


とりあえず、すげぇ説明書読んだ。

一言一句逃さなかった。
ほんと、ミスとか、ちょっとした気の緩みとかが、大事故を引き起こしかねない。

ちょっと、秤(はかり)にもかけてみた。

8グラムだった。・・・よし。

質量では私に分がある。

よし・・・。


素振りとかも、してみた。

こう来たら、こう。みたいなイメージトレーニングも欠かさなかった。


さて、と。


赤コーナーから得意のステップを奏でてリングに昇る私。
ちょっとした防衛戦。

青コーナーから立ち上がる挑戦者のアイツ。

26年、何の荒波にも揉まれず、十姉妹とかを人差し指に乗せながら窓辺に佇んでた私の下半身の愛娘に、初めて挑戦者・・・は、人じゃなかったかー・・。


なんせ、ゴングは無常にも鳴った。


いや、なんつーか、戦ってみないと、敵の本質って見えないものですね。

もうね、手合わせする前から、完全に、私、足とか止まってた。
目とかね泳ぎっぱなし。遠泳。

8グラムですっけ?
確実に絞られたボディー。

8グラムって言ったら、お料理とかで入れるグラニュー糖のレベルですよね?
ふわっふわ、ですよね?

何か、駆逐艦に見えるんですけど。
完全に宇宙船艦なんですけど。

こんなもんを入れた日には、私、一線越えちゃわないかしら。
変に大人の階段登っちゃったりしないかしら。
タンポンの腕枕で目覚めたりしないかしら。

そんくらい、でっかく見える。
背中とか、哀愁帯びてる。

いや、入れるよ。
入れっけど。


もうね説明書とか、横に広げて確認に確認の作業ですよ。
姿勢とか、ほんと大事。

腰とかね、すっごい落としてる。
膝とかね、すげぇ使ってる。

ほんと、マニュアル通り。
基本に忠実。


で、思ったんですけど、

いや、腰を落とすとかね、全然いいんですけど、

何だろう、この手探り感。
完全に方向性を模索してるんですよね。

いや、親切に図とかね、乗ってるんですけど、
3パターンくらい乗ってるんですけど、

どいつもこいつも完全にブラインドタッチなんですよね。

自慢じゃないけど、私なんて26年手付かず土付かずなとこ、あるわけじゃないですか。

ほんと、自分には自分、下半身には下半身の生活があって、お互い、ほとんど干渉しあわず生きてきたわけです。
ちょっとした遠距離恋愛みたいな。
電話で声聞くのが精一杯みたいなとこあるじゃないですか。

はたまた、ちょっとした家庭内別居みたいな感じで、
あいつがどこで何してるかなんて、わかったもんじゃないっつーか、

いや、まぁ、具体的に言うと、・・位置っつーの?
あいつまで到達するシュプールが全然描けないんですよ。

ほんと、自分の下半身の大体の方角は分かってても、
どこに入れるとこがあるとか、そんな具体的な位置関係の把握は、
いつかどこかで出会う白馬の王子さまがトレジャーハントしてくれると思ってた。

まさか自分で探索すると思わなかった。
GPSとか付けとくんだった。


で、まぁ、手鏡とか添えてみたわけです。


左手で鏡持って、右手で挑戦者を持って、空気椅子みたいな姿勢で、ほんと正月からちょっとした討ち入りだった。敵とか本能寺にいた。

汗だく。
途中4回くらい水分補給に行った。
ちょっと漫画も読んだ。
ほんと言うと、カレーとか食べたりもした。

何本もの挑戦者が、任務を全うできずに、私の前から去って行った。


一つ、解ったことがある。
両手が塞がったら、無理だ。
鏡は固定しよう。

もう一つ解ったことがあった。
中腰は無理だ。
座ってやることにした。

そして、最後に気づいたことがあった。
もう、一本しか残ってない。
実験!とか言って、水で膨らませて遊んでる場合じゃなかった。

追伸。
待ち合わせの12分前だった。


良くも悪くもファイナルラウンド。


いや、まぁ、まさか自分のこんなアラレモナイ姿を見せるのが、
殿方にではなく、自分自身にだったなんて。
26年目にして渾身のセルフサービス。

股間歴26年目のビックイベントですよ。

26年連れ添って、下半身のあんな焦った顔、初めて見た。

まじっすかー!つってた。
アルマゲドン、アルマゲドン、言ってた。
最後にちょっと敬礼してた。


で、まぁ、無事任務をやり遂げまして、
電気カチカチやるヒモ付きみたいになってる自分を、
誇らしくさえ思いました。
冬のマストアイテムかと思いました。CanCam1月号の表紙とか、多分あたしだな。



なんつって、2歩くらい歩いたら、さっそくコトリと抜け落ちました。

あたし、ちょっとタマゴ産んだかと思った。


全然入ってなかった。

いや、まぁ、何となく途中の段階で、これは、私の手に負えない感はあったっつーか、
うちの敷居をそう簡単に跨がせてたまるかっつーか、
温泉とか風邪引いたことにしちゃおうかなーっつーか、

とにかく、私は頑張った。
26年で一番、頑張った。


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大人のおもちゃのチャチャチャ


おす!
最近どう?
ラヴィアンローズな日々を送っちゃってる?

えっと、こっちサイドとしては言うも言われぬ処女ライフ邁進中してまーす。

明日で、この下半身ツンドラ生活も26年目にさしかかろうとしてます。
もうね、私の局部においては、全く温暖化の影響はありません。
むしろ「冬のソナタ」はココのことなんじゃないかなーって。

ああ、26年間、誰にも触れられなかった、まさに未開の地アタシ。
埋蔵金とかね、絶対ここに埋めます。
隠居生活とか、この中でします。

そんな1ミリも めくるめかない 永久凍土のような私生活を送ってた私に、今回一通のファンレターが届いたので、紹介させていただきます。


『加藤さんはずっと処女で、つまらなくないですか?
 バイブとかで自分を慰めちゃったりしてるんですか?』


ってわけで、今宵も抜きどころ満載でお送りしていきたいと思いまーす。
今夜のオカズはコレで決まり!


で、三行戻って、

処女がつまらないとか考えたことないです。

正義のヒーローに
「自分だけがいつも平和を守らないといけないのは、しんどくないですか?
 当番制にしたいとか思いませんか?」
って質問したとしても、多分わたしと同じ答えが返ってくると思います。

「いえ、それが私の使命ですから」

26年も処女をやってくると、もうね、それを克服したいよりも、むしろ貫き通したい。

ほんとね週刊誌とかでね
「女は子宮でモノを考える」
とか見るとね、

もうね、どうかしっちゃってるんじゃないかなって。

凄いとこに司令塔置いたなって。

私の子宮なんて、全くの鳴かず飛ばずですよ。
自分が子宮だってことも多分忘れかかってる。

下手したら、自分お花の妖精か何かだと思ってるかもしれない。
窓辺でジュウシマツを人差し指に乗っけながら、
「白馬の王子さまが~」とか絶対言ってる。
たまに学級会であたしの子宮のやつ「男子が全然掃除をしません」とか発言しちゃうし。
そんな永遠の思春期にミッドフィルダー的なポジションは任せらんねぇ。


というわけで、ずっと処女でも結構いけます。ご飯三杯いけます。



えっと、で、その二行目の質問ですが、えっと、バ・・バ・・バ・・バイ・・えーと、知ってます。

えっと、すごいっつー噂はチラホラ聞いてます。

あいつスゲーって。
すげぇ男らしいって。
あいつの武者震いは 武者を超えたって。

聞いてます。

あいつの活躍ぶりも、何となく耳にしてます。

なんか引っ張りだこらしいね。


で、本題としては、あいつで私が自分を慰めちゃってるかどうかっつーのが焦点になってくると思うのですが・・・


えっと、あいつの背格好・・見た?

結構、良い体つきしてるよね?
思わず、「スポーツなんかやってた?」って聞きたくなるよね?

一方、私ですがね、ご存知の通り26年近く全くの土つかずです。
土つかず、手つかず。

ほんと男女の情事なんて見かけた日には、これがあの「世界が恋したドラリオン」かなっつーくらいのスペクタクルで処女なんです。

手とか繋いだ日には、口とかカラッカラですよ。
汗ばむどころか、カサカサになっていくと思います私。

そんな経験値のアタシから見るとさー、
あいつなんてさー、
とても自分を慰める道具には見えないんだよねー。

ほんと、ちょっとしたチェ・ホンマンかしら?っつーくらいに見えるんだよねー。

・・絶対、手合わせしたくねぇ。


っつーわけで、チェ・ホンマンいらずの日々を送ってまーす。


明日で26歳になりまーす。ヤッホー。
浮いた話、全然ないでーす。
誕生日に君が欲しい、とかいうサプライズ企画もめっきりないでーす。

あたしの股間、多分、壊れかけのradio!




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プロフィール

加藤はいね

  • Author:加藤はいね
  • 『私の考える初夜』

    「あれ?しないの?」
    「え?してんじゃん?」

    「え・・・これ?・・え?」
    「あー、おまえテレビの見過ぎ。あんなこと普通しねぇって」

    「あ、そうなの?」
    「常識的に考えてみろよ。あんなんできるわけねーじゃん」

    「でも、本とかにも書いてあったし」
    「おまえさーバカだな。ドラえもんとかみて、竹とんぼ頭に付けようと思うのか?」

    「つけるわけないじゃん!つかないし!」
    「だろ?」

    「そっかー」
    「でもびびった。いまどき、本当にSEXとか信じてる奴がいるなんてなー」

    「もーっいいじゃん、うるさいなぁ。・・じゃあ、どうすんの?」
    「手、かして」

    「ん、・・繋いでどうすんの?」
    「祈んの」

    「え・・それだけ?」
    「それだけってなーっ!男はそれ言われんの一番ショックなんだからな」

    「あ、ごめん。つーか神社とかでもよく祈るし」
    「エロイなー、1人でやってんの?」

    「1人!あ、あれが、そうなの・・」
    「まぁみんなやってるしな」

    「つーかさ、じゃあ、これは何に使うの?ゴム。出番無しじゃん」
    「バッカ、これから使うんだよ」

    「どうやって?」
    「膨らまして飛ばすんだよ」

    「・・え・・なんで?」
    「そりゃ、おめでとーって」

    「おもしろそう!是非あたしにやらせて!」
    「お、結構積極的。いいけどウチさー壁薄いから声抑えてな」

    「オッケーオッケー」
    「じゃあ、せーの」

    『(小声で)おめでとー』

     
       ピュー



              END




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