CGI エロマンティック 三日に一度は一線越えてる。
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31歳、未貫通。トンネルを抜けたら、そこは雪国。処女(あたし)だってエログが書きたい!
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三日に一度は一線越えてる。


医学はその輝かしい発展と共に、私の上に暗い影を落としている。

今日、私に微笑むのは、光なのか はたまた闇なのか。



ってことをね、もう三日くらい前から言いたくて言いたくて。

ほらね、私とかね、何の因果か国家相手に「看護師でオーケー」みたいなお墨付きをね、頂いちゃってるわけで、白衣に身を包み放題の包みっぱなわけですよ。あ、今日も包んどいたよーみたいな商店街っぽさで。

そんな私だもの、たまにはね、ガツンとね、医療界にね、言ってやりたい。提言したい。
厚生労働省とかね、現場にほんと耳とか傾けてほしい。



えっとね、薬って色々あるじゃん。

それをね、伝票見ながら捌いてたわけ。

松本さんには目薬さして、吉田さんには内服飲ませて、
えっと田中さんには座薬かぁ・・・。って。

もうね、他人様に座薬入れるってだけでも激しい仕事だなーって、
思ってたわけ。

で、次。



「 渡辺花子   膣錠 」



何かの手違いじゃないっすか?

そんな単語ありましたっけ?

えっと、そこはですね、とても「錠剤」の付け込む隙があるポジションじゃないっつーか。

ち、ちち、膣って、だって、ねぇ?
そんな、常備薬とかがあるようなフランクなお付き合いをしちゃう場所でしたっけ?


一応、先輩にも確認した。

「いやー、まさかねー、いくらなんでも、これは無いっすよねー。
 これがOKなら何でも有りっすよねー」
みたいな感じで。

「あるよ」
あ、先輩、案外真顔。


膣錠。
有りらしい、医療界では。
暗黙の了解らしいです、膣錠。

無茶、だ。

だって膣ってアレよ?
あの膣のことだよ?
あたしだって、未だ生で拝んだことはない、あの お方ですよ。

近くにいた、同期にも話しかけた。
「これ・・・ち、膣錠っつーの?やったことある?」

「あー、あるよ」

おまえもなの?
4年間、共に学んだおまえも、そんなことペロっと言っちゃうの?

「え、え、え?これさ、どうやってやんの?」

「別に、普通にだよ」


普  通  じ  ゃ  な  い  で  し  ょ  !

これ、普通のことじゃないでしょ!
これが「普通」にカテゴライズされちゃったら、この世で起こる大抵のことは普通のことになっちゃうでしょ!


とはいえ、「普通に入れるだけ、らしい」(同期談)。


そこまで言うなら、入れましょう。
こう見えてもね、ナースのはしくれ。
入れるときは、ガツンとね、入れちゃうよ。


で、まぁ病室に行ったんだけど、渡辺さんと初対面。

膣の方にお薬を~なんつっても、渡辺さん「はいー」なんつって、どんだけ無防備なんだっつーの。

ほんと、何か、渡辺さんの人生に初登場の、えっと、赤の他人の、えっと加藤って言うんですけど、

いいのかしら?入れて。膣錠とか、入れて。

と、パンツを脱がした時点で思ったんですけど、
どう考えても、あたし達・・・そこまでの仲じゃないよね・・・?

膣とか、そういうのってもっと、
知り合って、仲良くなって、時にはケンカしたりして、でも何だかんだで仲直りとかしちゃって、いつの間にかお互いが空気みたいな存在になりながらも、確実な信頼関係っていうか、
そういう確固たるものの先に、膣があるわけで、

こんな見ず知らずの加藤に、膣のポジションを許しちゃっていいの?

しかも、私、自分の膣にすら挨拶を交わしたこともないのに。



膣錠。
医学はその輝かしい発展と共に、私の上に暗い影を落としている。
今日、私に微笑むのは、光なのか はたまた闇なのか。

心を決めて、薬の封を切ると、これまた、結構でけー。決心揺らぐわー。

錠剤の枠、ギリッギリ。
十円玉みたいな形。

おいおい、と。
ちょっと待てよ、と。

せめて、なめらかな丸い形でしょう。
自動販売機じゃないんだから。

とにかく、指に乗せてみた。

ねぇ、口じゃだめなの?経口摂取じゃ駄目だったの?

いやー自分、膣専門っすからー。みたいな。


入れました。満を持して。


入れて、さ。
入れてつーか、今まさにね、入れながら思ったんですけど、

膣って、どっからが膣なの?

自分が膣と思った時点で膣なのか、
いや、自分の限界まで進んでこそ初めて膣に辿りつけるのか、
はたまた、家に帰るまでが膣なのか、

悩んだ末に、結構ね、手前で引き返してきました。

ほんとね、迷子になるかと思った。



そうやって、私たちナースはいつも迷いながら白っぽい巨塔を支えてるよー。
看護師増やせー。
厚生労働省とかね、とりあえず、膣錠入れてから話ししようや。



あ、やべ、加藤ステキ。今夜、私に抱かれたい。
明日あたり、礎(いしずえ)になっちゃいそう。


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プロフィール

加藤はいね

  • Author:加藤はいね
  • 『私の考える初夜』

    「あれ?しないの?」
    「え?してんじゃん?」

    「え・・・これ?・・え?」
    「あー、おまえテレビの見過ぎ。あんなこと普通しねぇって」

    「あ、そうなの?」
    「常識的に考えてみろよ。あんなんできるわけねーじゃん」

    「でも、本とかにも書いてあったし」
    「おまえさーバカだな。ドラえもんとかみて、竹とんぼ頭に付けようと思うのか?」

    「つけるわけないじゃん!つかないし!」
    「だろ?」

    「そっかー」
    「でもびびった。いまどき、本当にSEXとか信じてる奴がいるなんてなー」

    「もーっいいじゃん、うるさいなぁ。・・じゃあ、どうすんの?」
    「手、かして」

    「ん、・・繋いでどうすんの?」
    「祈んの」

    「え・・それだけ?」
    「それだけってなーっ!男はそれ言われんの一番ショックなんだからな」

    「あ、ごめん。つーか神社とかでもよく祈るし」
    「エロイなー、1人でやってんの?」

    「1人!あ、あれが、そうなの・・」
    「まぁみんなやってるしな」

    「つーかさ、じゃあ、これは何に使うの?ゴム。出番無しじゃん」
    「バッカ、これから使うんだよ」

    「どうやって?」
    「膨らまして飛ばすんだよ」

    「・・え・・なんで?」
    「そりゃ、おめでとーって」

    「おもしろそう!是非あたしにやらせて!」
    「お、結構積極的。いいけどウチさー壁薄いから声抑えてな」

    「オッケーオッケー」
    「じゃあ、せーの」

    『(小声で)おめでとー』

     
       ピュー



              END




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