CGI エロマンティック カトウ式(処女という100%の避妊法)
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エロマンティック
31歳、未貫通。トンネルを抜けたら、そこは雪国。処女(あたし)だってエログが書きたい!
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カトウ式(処女という100%の避妊法)


仕事場の後輩から「出来ちゃったんですー」って相談されまして。

相談っていうか、完全な事後報告だったんですけど。
職場内でも、ケツから二番目くらいに教えてもらったんですけどー。

いやー、結構なんつーか、信頼されてる方かなーなんて、思ってたっつか、
あれ?おごったよね?二ヶ月前さ、ケーキ、奢ったよね、アタシ?

2週間前にもさ、一緒にご飯食べたよね、絶対。
相談する隙は、確実に与えてたよね?

出来ちゃったかー。
出来ちゃったかー。
そっかー。

いやいやいや、ごめん、正直、事後報告すらされてない。
飲み会の席で、他の人たちから聞いた。またぎき。
しかも、普通に「でもユミちゃん妊娠してるからねー」みたいなノリで。
周りの人たち、うんうん言ってた。
私もさ、うんうん確かにー、って言ったっけ、実のトコ初耳。
思いっきり知ったかぶっちゃったー。
ユミちゃん、何?妊婦なの?ねえ?そこんとこ詳しくー。
って思ってたら、

「加藤は、何て話きいてる?」みたいな風向きになってて。
はい、私、加藤なんですけど。
恐れ多くも、新人のユミちゃんの指導者という立場をおおせつかってるんですけど、

みじんも、聞いてねぇー。寝耳に水ー。彼氏すらいると思ってなかったです、はいー。

でも、うんうん言ってた手前、

「あ、まだ詳しくはアレなんですけど、どうやら妊娠してるみたいだって…えーっと、確か、三ヶ月くらいだったような・・」

みたいな、もうね、汗だくですよ。
妊娠つったらやっぱ3ヶ月でしょーっていうサジ加減だけの発言。
したら先輩たちも先輩たちで、そんな私にね、

「これから、産むのかさー、仕事とかどうするのかさー、
 それとなく聞いといてよ」

みたいなミッションをね、もしくはインポッシブルの方をね、さらっとね、与えてくれちゃうんですよ。

ほんと、身の丈とか考えてー。
私、できちゃったことすら、教えてもらえなかったんですー。
つーか半年近く一緒にいて、好きな芸能人は平岡裕太ってことくらいしか教えてもらってないんですー。つーか、平岡裕太くらい、私だって朝飯前で好きだったっつーの。
そんなことを「マジでー?」「ヒミツですよー」とか言ってコソコソ教えあう程度の師弟関係しか築けていない私たちに、
産むか産まないかとかね、そんなディープな話題、どうやったら、どうやったら、「それとなく」なんてね、聞けるかっつーの。荷が重いっつーの。
っつーか、むしろプライベートの面では、あっちが完全なる師匠で、こっちは全般未知の領域なのに。

でもね、上下関係って恐ろしいものでね、「聞いてみまーす」ってツルって言ってました。一種の条件反射だと思う。



で、昨日昼休憩の時、

「えっと、なんか、あれだって?妊娠…体調とか大丈夫?」

みたいなね、もうね、何かこっちの方が気ぃ使ってね、
こうね、完全に変な間合いで切り込んじゃったんですよ。タモリの話してたのに。

したらね、あからさまにね、「え?」みたいな顔するんです。
驚きの「え」じゃなくて。
不良で言えば「あー?」みたいなタイプの「え」でした。

もうね、新人相手なんですけど、完全に萎縮。
期待のルーキー登場かなって。
なんかもう、私なんかが、口を出すことじゃないっつーか。

したら、
「あれー?加藤先輩に言ってませんでしたっけー?」
みたいな、
「あれー?言った気になってたー」
みたいな、
で、最終的に
「加藤さん、忘れちゃったんじゃなくてですかー?」
みたいな。

もうね、場所が場所なら「何時何分地球が何回回った時っ言ったの!!!」ってね、喉の辺まで出かかったんだけど、
なんつーの、指導者と指名を受けたときから、もう、娘だと思って育てようって、実の娘だと思って愛していこうと決めてたんです。

だから、えっと、「どうしよっか」ってことを、オブラード十二単くらいにきせて話したんだけどね、ユミちゃん曰く

「避妊してたのに、彼が しくったんですよー」

とのこと。

「外出し、へたくそなんですよー」

とのこと。

「外…っ、それは避妊っつーか…」

「え?加藤先輩はゴム派なんだー」


うちの娘に限って・・・!!


ユミちゃん・・・、注射が不安ですって泣いてたユミちゃんの…病気のこと、もっと分かる様になりたいんですって頑張ってたユミちゃんの、同じ口から、そんな言葉が。しくったとか。

そして、私は、ゴム派なのか。
来月のあたまあたりに、このペースでいくと、確実に27になるんですけど、生まれてこのかた、ゴムの恩恵に授かったことは無いのにゴム派なのか。


「(ゴムはあえてスルーして)
 でもさー、外って言っても、そうそう上手くはできないっていうか」

「えー、上手い人は上手いですよー」

この辺でね、もうね、完全に出来レースなんですよ。
嫌な予感したの。
あー、加藤やべぇ。
加藤、絶対負ける。
引き際って言葉を思い出せ。

「で、でもさ、上手くてもさ、100パーってわけにはさー」

「そりゃ科学的には100じゃないでしょうけど、
 私の経験的には、人によってって感じですよー」


あら?

あら今?

え?
なにそれ。
ちょっと待って。
今さ、今さ今さ今さ、サラッとさ、私の「100パーってわけには」っていうセリフをさ、「科学」で くくっちゃった?
そっちに分類されちゃった?
待って待って待って。
経験かもしんないじゃん。
なんで、私の統計だけ、文献参照みたくなっちゃってんの?
確かにね、ほんとねナケナシのセリフでした。雑誌の受け売りです。参照しまくりです。
でもさ、知らないわけじゃん?ユミちゃんは。
私が経験で言ってる可能性も捨てきれないはずじゃん?
ってことは、何かな?イメージかな?
経験少ないゴム派のイメージ先行かな?

って思って、気づいた時には

「いや、別に、科学的ってだけじゃなくて」

って言っちゃったような、言ってないような、言ったかなー、私、そんなこと。

「え?加藤先輩の経験上そうだったってことですかー?」

「いや、だからー、経験っつーかー」

頑張れ。頑張れ、加藤。

その時ね、ユミちゃんが言ったんです。

「例えば?」

って。


例えば?
例え話もアリなの?


「例えばね、・・・ゲロとか。」

「え?(不良でいうところの「あー?」)」

「えっと、気持ち悪くて、我慢できないときゲロが出ちゃうじゃん?
 同じ人でも、酔ったとかで上手いこと便器に出せることもあれば、
 ほんと具合わるくて、公衆の面前で吐いちゃうこともある。
 その状況によるっていうか。
 だから、ほんとは吐きそうな時は、いつも万全に
 酔い止め飲んだり、エチケット袋持ったりってするべきじゃないのかな。」


自分でも、すげぇと思った。
これは、加藤、やったんじゃない?って。

したっけユミちゃん、

「あれ、今って外だしの話してたんじゃなかったですっけ?」

って、あっ!通じてねぇ!




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プロフィール

加藤はいね

  • Author:加藤はいね
  • 『私の考える初夜』

    「あれ?しないの?」
    「え?してんじゃん?」

    「え・・・これ?・・え?」
    「あー、おまえテレビの見過ぎ。あんなこと普通しねぇって」

    「あ、そうなの?」
    「常識的に考えてみろよ。あんなんできるわけねーじゃん」

    「でも、本とかにも書いてあったし」
    「おまえさーバカだな。ドラえもんとかみて、竹とんぼ頭に付けようと思うのか?」

    「つけるわけないじゃん!つかないし!」
    「だろ?」

    「そっかー」
    「でもびびった。いまどき、本当にSEXとか信じてる奴がいるなんてなー」

    「もーっいいじゃん、うるさいなぁ。・・じゃあ、どうすんの?」
    「手、かして」

    「ん、・・繋いでどうすんの?」
    「祈んの」

    「え・・それだけ?」
    「それだけってなーっ!男はそれ言われんの一番ショックなんだからな」

    「あ、ごめん。つーか神社とかでもよく祈るし」
    「エロイなー、1人でやってんの?」

    「1人!あ、あれが、そうなの・・」
    「まぁみんなやってるしな」

    「つーかさ、じゃあ、これは何に使うの?ゴム。出番無しじゃん」
    「バッカ、これから使うんだよ」

    「どうやって?」
    「膨らまして飛ばすんだよ」

    「・・え・・なんで?」
    「そりゃ、おめでとーって」

    「おもしろそう!是非あたしにやらせて!」
    「お、結構積極的。いいけどウチさー壁薄いから声抑えてな」

    「オッケーオッケー」
    「じゃあ、せーの」

    『(小声で)おめでとー』

     
       ピュー



              END




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